老い

2004年2月17日
祖母が入院した。

この祖母はこの日記に
「知らない家族」という題でいつか
書いたことのある、あの祖母だ。

肺炎で入院したのだけど、
肺炎自体はすぐに治った。
一番の問題は肺炎の原因だった。

誤嚥性肺炎。
食べたり、飲んだりすると
必ず少量、肺のほうへ誤嚥してしまい、
しかもその自覚がないのだ。
健常な人なら、むせたり、咳き込んだりするのに。

祖母は、飲むことも食べることも出来なくなってしまった。

今は胃に穴を開けて、
そこから水分や栄養を摂っている。

目は見えず、しゃべることも不自由で、
起き上がることすら、一人では出来ない。
さらには、物を食べることも飲むことも出来ない。

見舞いに行ってきたが、
あまりに可哀想で、何にも言えなかった。

病院から帰るとき
「頑張ってね」と祖母が言ったから、
「うん。ばあちゃんもね。」と返した。そうしたら、
「頑張ります。」と、ばあちゃんは答えた。

祖母はもう十分、頑張った。
頑張って頑張って、生きてきた。
安易にこれ以上「頑張れ」というのは酷だ。無神経だ。

けれども、「もう頑張らなくて良いよ」とも言えなかった。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

日記内を検索